1.参考書のことば化(音声化)
古代ギリシャの言葉では、教師はδιδασκαροs(ディダスカロス)という単語が使われています。‘知識の伝授’というニュアンスの強い言葉です。
昔は、教師という職業は‘知識の伝達者’だったようです。
歴史的に見ると、教師という職業観が一変するのは、ジョン・デューイ(1859-1952,John Dewey;アメリカを代表する教育学者)が教育の定義を『本来のこども自らの興味・関心を‘引き出し’、それを伸ばすことにより成長させていくこと』という意味合いで用いてからだと思われます。
参考書のことば化(音声化)。
もしも教師の仕事が単に‘知識の伝授’(διδακηディダケー)であるならば、それでもよいでしょう。
しかし、『どのように子どもをモチベートするか(=動機づけるか)』、『如何にしてその子の中に眠るタラント(才能・能力)を引き出すか』というテーマを‘教育’と考えるならば、そこで終わることはできません。
2.新人講師Nさんのこと
講師を始めて間もないNさんが、「修行のために、他の先生たちの授業を見に行きたい」と言ってきました。彼女の授業は…、まだあまり上手ではありません。
ホワイトボードの使い方など、‘外側のこと’は良くなってきています。また、子供達のために本当によく準備をしていることも見ていてわかります。彼女なりに一生懸命に頑張っています。しかし、なにか覇気がない。エンロールが働いていない…。
昨夜、授業のあとに、彼女とフィードバックの時間を持ちました。
子ども達に届いていない壁の正体は何なのか?
3.エンロールメントの勘どころ
そのフィードバックは、私が何かを教える(διδακηディダケー)のではなく、会話のやり取りの中で、彼女自身に‘気づかせる’という方法をとりました。 その中で、N先生は、
子ども達との壁は、話が下手だからではなく、『はだかの自分、本当の自分』を持ち出すことができないことから来ていることに‘気づき’、
更には、それが『(誰からも)嫌われたくない』自己像から来ていることにも、そしてまた、それがいつからなのかにも‘気づき’ました。
…つまり、本来の彼女は、周りの目を気にして縮こまるタイプではなく、もっと躍動感あふれるパワーを持っている人だということ、それができる人だということ、そして、それをしても良いということに気づいたのです。 (*「してもよい」は選択理論心理学的発想だから赤色にしました)
なかなかどうして、彼女、思ってたよりも頭がよいようです。僅かな会話でそこまで気づいたのですから。
~‘気づき’に年齢や性別は関係ありません。年を重ねたからといって、それだけで見えてくるものではないからです。~
4.‘気づき’はゴールではなく、スタート
*誰からも嫌われたくない、自分の身を守る、そのような‘自分事にしている’ところからは、相手への「貢献」のスペースは生まれません。
教師のプロフェッショナリズムとは、教科の専門知識よりも、このような‘あり方’(being)にあるのではないか と私は考えます。
さて、そのN先生ですが、彼女からは、『では、どうしたら、自分を持ち出すことができるのですか?』 という質問‘さえ’出てきました。彼女の中で、シフトが始まったわけです。
(*シフト=右を左に変えること,根本的な変革 cf.パラダイムシフト)
その質問に対しては安直には教えずに、宿題にしました。実践の中でわかっていったほうが、より身につくでしょうから。
「今世紀の最も偉大な発見の一つは『人は心構えを変えることによって、なりたい人間になれる』ということである」
【後記1;お願い】
このブログを読み終えましたら、 か
か
をクリックしてください。 ご協力を感謝します。
**************************************************************************
【後記2;前回のblogの見方】
このblogの最上部(最初の部分)にあるタイトル ~今回であれば〔 新人講師Nさんの気づき 「ワクワクする授業とは?」 ~エンロールメントの勘どころ~ 〕~ のところをクリックしてください。すると同じ記事が新しく表示されますが、最上部の箇所が 〔 校内塾&K-Kids S 近日の動き(講師リクルーティング等)|メイン 〕 となるはずです。その 「 校内塾&K-Kids S 近日の動き(講師リクルーティング等) 」 の部分をクリックすると、前回のblog をご覧になることができます。
**************************************************************************
初めてこのブログをご覧くださっている方は、ぜひ 推奨順にお読みください。
各学校での成果の秘訣を紹介しています。 *********************************************
*推奨順 に進むためには、ここをクリックしてください。⇒はじめに
*************************************************************************
コメント